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世界遺産・平泉(12) 「浄土と浄土思想」 . 







世界遺産に指定されている「無量光院跡」(wiki)




藤原氏初代の清衡は自ら悲惨な戦の体験から、天治3年(1126年)、中尊寺の落慶供養に際し「世界があまねく平等の世界になることを心より祈願し、罪なく命を奪われた者たちの御霊を慰め極楽浄土に導きたい」と、この世があまねく平和で戦のない理想郷を造りたい旨の供養願文(くようがんもん)を読み上げたと伝えられている。


藤原清衡の理想として創造されたこれらの造物や遺跡群は、現代の文化遺産としてそのまま世界共通の世界遺産の登録によって現代に蘇えった。

平泉の世界文化遺産が、昨年発生した東北大震災の鎮魂として、又、現世に生きる浄土を通じて世界共通の安寧に寄与し、実現するものとして願わずにはいられない。


【浄土とは】 .
穢土(えど;けがれた国土、三界六道の苦しみのある世界、凡夫の住む娑婆)に対して、仏国土(浄土)、仏の国(または仏の世界)のことであり、6世紀から12世紀にかけて発展を遂げた日本の仏教思想(阿弥陀如来の極楽浄土信仰)の根本である。
仏教では、現世に究極の仏の理想世界である仏国土(浄土)を実現できるものとされ、特に中国・日本においては、浄土教(本願=阿弥陀を信じ、ひたすら念仏を唱えれば、死後に極楽浄土に往生できると説く教え)の流行にともない、「浄土」といえば一般に阿弥陀仏の「西方極楽浄土」を指す。

特に、「浄土」という思想は、外国の人たちに理解されにくい文言であり思考であろう。
平泉が持つ浄土という固有のメッセージとして、世界に向けて分かりやすく伝えることは文化遺産としての大切な役割でもあろう。
又、国内においても「浄土」という思想を、現世の人々がどう捉え、どう教示してゆくか、そして、平泉の遺産群を永年にわたりどう調整保護してゆくか、このことが大きく問われ、大切な義務であるようにも思われる。



【浄土思想】 .
仏の世界である清浄化された浄土へと往生(俗に言う死ぬこと;この世を去って他の世界に生れかわること)し、成仏することを説く仏教の思想である。
11~12世紀頃には、死後に阿弥陀仏の住む西方極楽浄土への往生とともに、現世における自らの安穏を願うものへと変化していった。

嘗て、外国では日本の国を「ジパング」と言われ、それが現在のJapanという国名で呼ばれるようになった。
通説によればジパングとは「黄金の国・ジパング」のことで、陸奥の国・平泉からのイメージが伝わったものとも言われている。
日本という世界の東の果て、更に、その奥の東北地方に突如起こった金の産出ラッシュ、そして中世に起こった二度にわたる戦役は、元はと言えば、この黄金を巡る争いでもあったとも言われる。

ところで、奈良から平安時代にかけて東北地方では莫大な金が産出され、陸奥の国(東北地方)を掌握した奥州藤原氏が金のもたらす富によって平泉黄金文化を築いたとされる。
大伴家持(万葉歌人=奈良期の陸奥の守)は、産金地を歌の中で、「陸奥の小田なる山」、「みちのく山」と詠んでおり、万葉集に登場する地名の中では最北・最東の歌となっているという。
実際の当時の金の産出地は、古代から中世にかけては陸奥国小田郡とされ、現在の宮城県遠田郡湧谷町にあたる。 
この地域には金産地らしく黄金山神社や黄金、金山といった地名や痕跡が今も残っている。

やがてこの黄金は、藤原氏によって、「浄土」という形で表現され、思想が生まれた。
このような歴史的物語が実際にあったことを、世界に伝えることは必要なことであろう。
そして、この黄金は金色堂という芸術的とも宗教的とも言える形で昇華され(藤原清衡)、さらにその浄土思想は毛越寺(二代基衡)、無量光院(三代秀衡)という形で受け継がれていく。

藤原氏初代の清衡から源頼朝に攻められるまでの100年間、平和(浄土)を実現させた、かつての北の都は、北上川に寄り添い、金鶏山を中心とする山々に囲まれながら、浄土思想を示す景観として、平泉の地は、世界に拡がっていくことであろう。


次回、「平泉の世界遺産」 ・




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