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世界遺産 日光大紀行(93)日光の自然 「さかなと森の観察園」
キャンプ場の奥には、「さかなと森の観察園」などの見学ポイントもある。
水産総合研究センターの広報施設で、ここでは研究所の敷地の一部を公開しており,内水面(河川や湖沼など)にすむ「さけ・ます類」について学ぶことが出来る。
園内では、幻のさかなと言われるイトウや、中禅寺湖にしかいないレイクトラウトを始め,様々な種類のさけ・ますの仲間やチョウザメなどが観察でき,さかなたちに餌をやることもできます。
当園で観察できる魚たち:
イトウ,ヤマメ,サクラマス,アマゴ,イワナ,ヒメマス,レインボートラウト(ニジマス),スチールヘッドトラウト,ブルックトラウト(カワマス),ブラウントラウト,ギンザケ(コーホサーモン),レイクトラウト(以上がさけ・ますの仲間),チョウザメ(ベステル種)
また当園は,明治23年(1890)に宮内庁のふ化場として開設されて以来,百年以上の歴史がある施設であり,随所にその面影を残している。
因みに、「イトウ」と言う魚は、サケ目サケ科イトウ属に分類される淡水魚で、別名はイド、チライ、オビラメなど、日本最大の淡水魚として知られており、体長は1mから大きいものでは1.5mに達する。
記録上最大のものでは、1937年(昭和12年)に十勝川でおよそ2.1mのイトウが捕獲されたことがある。
現在、日本では北海道の一部の河川・湖沼にしか生息しておらず、日本以外では樺太、南千島に生息している。
現在、イトウの生息する南限は北海道の尻別川とされているが、尻別川での自然増殖は絶望視されている。
北海道の河川に生息するサケ科の巨大淡水魚は、以前は北海道のほかに東北でもその姿がみられたが、現在では、道北及び道東でしか存在が確認されていないという。
北海道では今でもときおり1メートルを超えるサイズのイトウが釣れたという話を聞くようだが、大きなサイズものは激減しているのが実情なのである。
食性は、肉食でカエルやネズミや他の魚などを食べているようで、ルアーに食いつくことを夢見て釣り師たちはロッドを振るわけですが、簡単に釣れる魚ではない。
極めて用心深い習性で、人影を見つければすぐに逃げてしまい、そのうえ数も激減しているので、ますます釣れないわけです。
この魚が生きていくには、破壊されていない自然環境が必要で、本当の幻の魚になってしまう恐れがあり、絶滅危惧種代表格である。
縄文時代、川の傍のアイヌ人達は、悠々と泳ぎまわるイトウと一緒に生活していたと思うと、ロマンや時代をツクヅク感じるのである。
芥川賞を受賞した作家である「開高 健」は、熱心な釣師としても知られ、釣りに関する作品も多い。 彼は、アラスカでイトウを専門に狙ったことは有名で、専門誌にも紹介されている。
「キャッチアンドリリース」(釣った魚を河に戻す)という思想を広めた人物と言われています。
次回、 「中禅寺湖の千手ヶ浜」
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