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156、日光の世界遺産;二社一寺 「二荒山神社・瀧尾神社の無念橋」
滝尾無念橋
「無念橋」は、三本杉を通してご神体の女峰山を拝むために、自身の身を清め俗界と縁を切るための橋だった。 元より、神聖な境内において、更に一歩踏み入って自身を浄化させ、清新な気持ちになって祈願する結界の橋でもある。
一方、祈願しても思いが届かず、無念の思いで戻る、「戻り橋」とも言われる・・?、名前だけ聞くとちょっと複雑そうに聞こえるけど。
確かに、水の無い乾いた溝に石造りのしっかりした太鼓橋が架かっていてで、橋の長さは1mにも満たない。
案内板によると、『 三本杉を通してご神体山の「女峯山」を遥拝するため、自分の身を清め俗界と縁を切ることを意味する橋であった。 だが、何時の頃からか己の歳の歩数で渡ると女峯山頂奥宮まで登ったことになり、又、願がかなえられると言われるようになり、「願い橋」とも呼ばれる 』とある。
10歳前後の子供ならいざ知らず、70歳を越えた小生などはどうやって渡ればよいのであろうか・・?、何回もUターンを繰り返して渡るのであろうか・・?。
「日光山志」などによれば、滝尾神社境内には、本殿後方の御神木( 三本杉)への参道に架かる無念橋、子種石へ通う妙覚橋、同所より下向する道にある等覚橋の三基の石橋があったと記されている。
しかし、現存しているのは無念橋だけとされる。
この橋の本体は幅・長さとも1.2mほどの小さなもので、橋板は3枚(1.22m×0.38m)を弧状に加工し、左右の橋板には高欄を付けて、3枚連ねた太鼓橋のような反り橋である。
橋の前後は幅2mの一石から細工した2段の石段となっていて、橋下には幅30㎝ほどの堀があるが、水路は通じておらず、実用よりも宗教的な意味あいが強いと考えられている。
石段側面に延宝5年(1677)の年紀があり建て替えられたもので、栃木県に現存する最古の橋で、国の重要文化財(有形文化財・建造物)に指定されている。
栃木県内では、橋自体が国の重要文化財として指定を受けているのは、日光神橋とこの橋のみである。
次回、 「二荒山神社・瀧尾神社の稲荷神社」
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