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60、日光の世界遺産;二社一寺 「東照宮・三神庫の想像の象」
三神庫の中の上神庫に、“想像の象“というのが描かれています。
この絵は狩野探幽が想像して描いたとされています。
江戸時代の初めの頃は、一般庶民では「象」という巨大な動物は観た事も無く、従って、存在するのは判っていても、飽くまで空想するしかなかったのです。
因みに、生身の象が日本に初渡来したのは以外と早く、室町時代に南蛮船で若狭国へ渡来したといわれ、時の将軍・足利義持に献上されたそうでsう。
又、江戸期には八代将軍・吉宗がアジアの巨大生き物に興味を持ち、“象が見たい”の一言で、ベトナムから2頭が連れて来られて長崎に着いたといいます。
その内、メスは吉宗に会うことなく間もなく長崎で死亡したらしいが、一方、オスの方は江戸で待っている吉宗に会うべく、遥々、長崎から歩いて実に80日かかっての旅で江戸まで辿り着いたといいます。
この時更に、京都で天皇に拝謁させて位が付き、将軍様のための象なので“象を死なせてなるまい”と、象が通過する宿場町などは、お触れに従って“象様御一行”を丁重にを迎えたといわれます。
狩野探幽は、江戸初期の狩野派を代表する絵師です。
探幽自身は象は直接見たことなど無く、神庫に描かれた象は人伝いに聞いた想像の動物であったのでしょう。
だが、象は神仏に関連して登場しているのも確かで、仏教では歓喜天(仏教の守護神である天部の一つ)として富と繁栄の神様とされています。
特に白象は、普賢菩薩の乗る霊獣として描かれているといいます。
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